ホテル椿山壮のグランドホール 椿〔オリオン〕で開催されたカドカワ(9468)に参加してきました。
カドカワの総会は初参加でした。簡単に内容を説明したいと思います。株主総会に興味のある方のご参考になると幸いです。
株主総会とは
会社は株主の持ち物です。株主総会は株主に対して会社の基本的な方針や重要な事項について意思決定を行う場です。
会社の売り上げ、今後の方針、執行役員の選定などについて、説明および合意を取ることが目的です。
株主総会の議題は事前に株主のもとへご案内通知が郵送されます。
株主総会までの流れ
- 開始時刻までに会場へ
- 議決権行使書を受付で渡すと出席票とお土産がもらえる
- 会場に入る手前でお水(ペットボトル)がもらえる。
- 議長(基本的には社長が議長となる)により進行、総会開始
- 動画にて売上、来期の見通しの報告
- 質疑応答(会社によっては要所で質問のタイミングを設ける場合があります。カドカワは最後に1回だけ質疑の場を設けられていました)
- 執行役員の変更について
- 議長により締めの挨拶をもって、総会は終了
展示がなかったので、早めに会場に到着するメリットはありませんでした。
お土産
- 万葉集
- BOOK☆WALKER 1000円分GIFTカード
の2点をいただきました。
万葉集は日本の古き良き時代をおさらいをするために読みたいと思います。
展示
展示らしい、展示はなかったです。
会場に入るまでの通路にカドカワIPのボードが飾られている程度でした。
質疑応答
株主から経営陣に対して、質問をするターンです。株主は挙手をして進行役の社長が指名をします。
一人目に指名されたのが一部の界隈で人気の漫画家 ピョコタンさんでした。
Q1:川上さんの立ち位置について
カドカワドワンゴが足を引っ張る形で組織の再編をしたが、川上さんは筆頭株主であり発言権はもっている。今後の川上さんの立ち位置なのか?会社(経営陣)は川上さんをどのように思っているか、また川上さんは今後どのようにしてカドカワと関わっていくのか。
回答
松原社長:川上はドワンゴの創設者でエンジニア出身。AI、VR、IoTに深い知見を持っている。今後の当社グループの経営の主軸はデジタルトランスフォーメーション。その中で多数のITエンジニアがいて、さらなる能力向上のために川上が必要である。私の方からお願いした。
川上:昨年度のドワンゴの損失、また多大な悪影響を及ぼしたことにお詫び申し上げます。今後はもともと手掛けていた新規事業のN高とVR事業に注力する。N高はある程度結果が出ているが、VR事業は具体的な結果が出ていない。この2つの戦略面などで、夏野社長のサポートをしていきたい
Q2:制作会社の出資比率について
アニメ製作委員会では一般的に制作会社の出資比率が低い、もしくはリスクは負わない。良い作品を作りヒットしても報われず、不満が生まれたり、倒産もよくある。一方、レアケースの制作会社の出資比率が高めの作品、コミックス・ウェーブ・フィルムや京都アニメーションの作品は出資比率が高い代わりに、質が高くなる傾向にある。制作会社の出資比率を高めてIP・品質を高めより継続性のあるIPを作っていただく。というこはできないのか
回答
制作委員会は作品によってまちまちであり、会社の懐事情にもよる。カドカワの場合、年間30作品のテレビシリーズ、数作品劇場アニメを担当する場合がある。他にも少額の出資をする場合もございます。カドカワとしても作品の品質を高めるために委員会とも都度都度よくよく話し合っている。日本のアニメ会社の成長をサポートしていきたい。また、細田守作品、スタジオ地図については日本テレビも加えてLLP(有限責任事業組合)を作っていて、制作会社の力を入れていけるようにしている。
Q3:ニコニコの新配信の進捗は?レタスクラブなどの雑誌が超会議に出展する理由は?
回答
1点目:ニコニコの新配信については機能を順次導入されています。去年はクローズドで公開していた機能がどんどん開放をしていっている。年内には完全に導入できると思っている。
2点目:ブランドビジネスは本当に大事だと思っている。ニコニコ超会議で違うユーザ層に広げるための場としては良いと思っている。
Q4:取締役に女性が居ないが、どのように考えているのか。
回答
取締役に女性が一人もいない。多様性を考慮した構成になっていないが、コーポレーションガバナンスでも報告している通り、当社では基本方針として全体として多様な専門性と知見を備えた人を選び、バランスを重視している。ただ、女性役員については引き続き検討していく
Q5:株主還元について
株主還元は安定配当であるが、出版のKADOKAWAは成熟産業で、ドワンゴは立て直し期。今後、成長期待が感じられないので、配当金を上げたり、自社株買いしてはどうか。今後の株主還元の方向性について説明してほしい。
回答
電子書籍については一早く参入しており、非常に大きく成長している。また、所沢にプリントオンデマンドなる装置を作成し、より一層の成長を試みる。また、ニコニコについても新規事業についても失敗した案件もあったが動画配信というサービスはカドカワとして重要である。5Gの波がくるが、今後も見合った投資をしていく。今後も内部強化を図りつつ、今後も株主還元を考えて、検討してまいる所存である。
Q6:廃止した既存サービスを時代に合わせて再配信とかはしないのか
「テクテクテクテク」などは収益化はできなかったがコンテンツは有益であった。サービス終了したのが残念である。良コンテンツではあるという認識だが、後に再配信する予定はないのか。あまりお金をかけず既存のサービスを新しい時代に合わせてアレンジした方がよいのではないか
回答
テクテクテクテクは事業的にうまくいかなかったが、ユーザ様には好評であったと思っております。しかしながら、今年度に再配信するということは考えておりません。なぜかというと、事業的に立て直すには大幅な改修が必要だと思っており、それにトライするのは今期はちょっと難しいかなと思っています。ただ、将来的に見通しが立ってきたときに今ある資産を使って同じような事業をやるのは有りだと思っている。テクテクテクテクの中にある位置情報基盤はゲームとは別で作っており、これはかなり有用であると思っている。
Q7:この先、映画の大作を作る予定はあるのか
私は角川映画を見て育った思い出がある。実写映画の大作の予定はあるのか。
回答
KADOKAWA作品だけでなく、アーカイブ事業もやっている。「Fukushima 50」という作品が製作費では大作と言える。時代劇に関しては大作に値するものを準備中である。発表についてはまだ先だが、ご期待いただきたい
Q8:社員が所沢(田舎)のサクラタウンに行きたくないという話題があがっているが、指揮が下がることなどはないか
所沢サクラタウンについては、事実かは分からないが社員が「田舎に行きたくない」と嘆いているというニュースが出ている。私は所沢に住んでいるので、少し残念です。非常に良い施設なので住民としては頑張ってほしいが、社員の士気がそがれてはいないか心配です。実際の従業員たちの声などわかるようであれば教えていただければと思います
回答
1フロア3000坪。来年4月末に完成するが、カドカワグループの未来を見すえて、抜本的にオフィスや働き方を変えるために進めている。飯田橋に1000席、サクラタウンに1000席、他に500席を確保して、どんな場所でも、在宅でも、多様な働き方ができるように考えている。オリンピックの混雑、災害時の対応、賃料アップにも対応でき、多くのメリットがあると考えている。従来の仕事のやり方を変えるのは、関係者に大変な作業を強いることになる。不満がないわけではないが、丁寧に進めている
[blogcard url=”https://tokorozawa-sakuratown.jp/”]
Q9:国が進めている障害雇用について
ここからは疲れたので、すずき様のツイートを貼っていきたいと思います。(こちらのが見やすい)
https://twitter.com/michsuzu/status/1141559606205747201
Q10:テレビ東京に脅迫されていないか
https://twitter.com/michsuzu/status/1141562366670229505
https://twitter.com/michsuzu/status/1141562370336018432
Q11:育児休暇や介護休暇について
https://twitter.com/michsuzu/status/1141564056886640640
Q12:ニコニコの収益モデルについて
https://twitter.com/michsuzu/status/1141565751452553216
Q13:ところざわサクラタウンの収益モデルについて
https://twitter.com/michsuzu/status/1141568927543123968
Q14:ガメラシリーズをリブートしないのか
https://twitter.com/michsuzu/status/1141569794765774848
Q15:ニコニコはとても使いづらい
https://twitter.com/michsuzu/status/1141573440995876864
https://twitter.com/michsuzu/status/1141573447073423360
Q16:けものフレンズ2はプロモーションに見合った収益があったか
https://twitter.com/michsuzu/status/1141574650645762048
株主総会の感想
目白駅からバスで会場まで移動しました。今まで参加した株主総会の中で一番移動が大変でした。
会社の規模も大きいカドカワさんですが、展示があっさりしていて残念でした。
ただ、株主の出席率もあまりよくなかったので、展示に力を入れても意味はないと判断したのかな。
質疑応答に多くの時間を割いていました。全体の7割は質疑応答だったと思います。会社を半休取ってまで行く必要はないと思いました。
次回は業績が上がってたら参加したいと思います。